10周年記念 メンバーソロ対談企画 10周年特別企画としてメンバー個々がチョイスした対談企画が実現!!

Vol.3

mayuko×小林麻耶

――― mayukoさんのお相手はお友達の小林麻耶さんをお迎えまして。

小林「雰囲気がいつもと全っ然違う!」

――― 普段はどういう感じなんですか?

小林「もっとナチュラルで、ふんわりmayuちゃんっていう感じなんですけど。メイクしたことでスイッチが入るのかな。ハッ、Aqua Timezだ!みたいな。フフフ」
mayuko「逆に麻耶ちゃんは変わんないよね。スッピンでも一緒だもん」
小林「いやいやいや。まぁうまいわね〜」

――― まずは2人の出会いをお聞きしたいです。

mayuko「最初は多分、献血推進の"LOVE in Action Meeting"。麻耶ちゃんがずっと司会をしてて、私たちは2012年から出演させてもらっていて」
小林「その前にラジオで会ってるかも」
mayuko「どっちにしろ、一回目はあんまり話してないんだよね」
小林「そうそう。で、LOVE in Actionのプロジェクトリーダーである山本シュウさんが、もうひとり広告代理店の女の子と一緒に引き合わせてくれて。"きっと気が合うから3人でご飯に行きなよ!"って」
mayuko「今朝、手帳で確認してきたんだけど、それが2013年の4月」
小林「まだ2年?! 全然そんな気がしない」
mayuko「それまでの麻耶ちゃんは、一生懸命で真面目な人っていう印象で、自分と似てると思ったことはなかったんだけど。初めて集まった時に、今日は仕事だったんですか?みたいな話をしてたら、麻耶ちゃんが"仕事のあとちょっと時間があったので、帰って昼寝をしてきました"って言ったの」
小林「あはははは。よく覚えてるね」
mayuko「私も睡眠を超大事にしてて、しかも隙あらば寝ないとやってられないみたいな空気にシンパシーを感じたのと。あとは芸能界の友達が少ないっていう話がさ」
小林「少ないというか、ひとりもいなくて」

――― えっ、ひとりも? なんか衝撃発言(笑)。

小林「ハイ。妹くらい。もちろん学生時代の友達はいるんですけど、仕事と友情はイコールじゃないと思って生きてきたので。だからシュウさんに"一緒にご飯に行ったらええやん"って言われた時も、イヤだったんです」
mayuko「そうそうそう。わかるわかる……ええっ、イヤだったんだ。ハハハハ」

小林麻耶

小林「"LOVE in Action"にご賛同いただいて、お手伝いしてくださってるアーティストの方だし、どの立場でお喋りすればいいのかわからなくて、すっごく緊張しちゃって。でもシュウさんは人を繋ぐのがすごく上手な方なので、もしかしたら何かあるのかな?と思って一歩踏み出したら、すごく楽しい世界が待っていて。睡眠を大事にする話もそうなんですけど、私は女友達でも一緒の部屋に泊まれないんですよ。完全にひとりで寝たいんですっていう話をしたら、mayuちゃんが"私は女友達と寝れるけど、ひとりで寝たい気持ちはすっごくよくわかる!"みたいなことを言ってくれて。今まで生きてきて初めて共感してもらって(感涙)」
mayuko「もうひとりの女の子が、ポカーン!ってなるくらいにねっ」
小林「しかも初めてそういうことが言えたし、2人が自然に言わせてくれたというか」
mayuko「私も芸能界はもちろん、ミュージシャン友達すら少なくて。連絡先を交換しても、ご飯に行ったりすることに対しては苦手意識があったし。だからまさに自分の殻を破るキッカケが麻耶ちゃんですよ。今はもう人と話すことに対してあまり構えなくなったし、気軽にご飯に行けるようになってきたから」
小林「生き方も、育ち方も、仕事も違うのに、ここまで素直に話せる友達ができたことが、私にとって大きくて。mayuちゃんに出会わなかったら今の私はいないっていうくらい、本当に助けられてます。それからずっと一緒に遊んでいて、今は5人に増えたから余計にね、毎回、朝5時まで話が止まらないから」

――― 女子5人で夜通し喋り倒しているんだ。

小林「ハイ。夜の7時に集まると朝になっちゃうので。みんな年齢的にお顔に良くないからもっと早くから集まろうって言って、昼の3時からお茶して、夕ご飯食べて、2次会に行って、気がつけば朝5時過ぎてて(笑)」
mayuko「お酒飲まないんだよね、別に。さらには、食べた味も覚えてないくらいな」
小林「覚えてないかも! とにかく喋ってる」
mayuko「メニューを決める時間すら」
2人「もったいない! ハハハハ」

――― どんな話題が多いのでしょう?

mayuko

mayuko「まずは近況報告から始まるけど、けっこう深い話だよね。最近あった辛い出来事とか。例えばここで話せる話でいうと、私が歯医者さんに行った時に、歯をグリグリグリグリやられながら、強い痛みと同時に激しい怒りと悲しみに襲われてしまって。先生は良かれと思ってやってくれてるのに、なぜあんなにも憤りを感じてしまったんだろう?みたいな話をして分析してもらったり(照)。みんなまるで自分のことのように考えてくれて、それによって自分のことがより深くわかったりもして」
小林「恋愛をすると自分を好きになれたり、自分の知らなかった自分を知ったりするじゃないですか。フフフ。彼氏と築くくらいの関係をこの女子会で掘り下げてる。なのでいわゆる女子会的な"その彼氏、マジ?!"っていう、キャッキャした空気はまったくなくて」
mayuko「太志には"ダメな女子会"とかってよく言われるんだけど。"男のダメ出しをしてなんちゃら……"みたいな。でも全っ然そういうんじゃないから!」

――― (笑)。少し引いた目で見ると、mayukoさんはバンドの紅一点だし。麻耶さんも男性の多い現場だろうから。そこでの葛藤は、なかなか表には出しにくいのかなって。

小林「うんうんうん。私はもともと心を開くまでに時間が掛かるんです。転校が多かったので人と接するのがちょっと怖くて、みたいな幼少時代の話もできる感じ。それがあって今があるのだと理解しつつも、"何年生の時にこんなことでいじめられて、こうだったんだよ"っていう、その時に誰かに受け止めてもらいたかったことを、今、みんなに受け止めてもらっていて。そしたら人と接するのがスーッとラクになって。だから家族のことも、仕事に関しても、もちろん恋愛のあれこれも話すし。今やいなくてはならぬ存在です」

――― もはや女子会という名のセラピーですね。

mayuko「まさに麻耶ちゃんがブログで書いてた"話す=離す=放す"なんだと思う」
小林「ホントの自分を話すと、悲しみや問題が離れていって、それによって開放される。結局、自分のことは自分が一番わかってないのかもって。でも人のことになると冷静に見られて、アドバイスもできて。例えば、私は"カワイイね"って言われると超拒絶反応、ガシャン!って閉じて逃げるタイプなんです。でも最近は素直に喜べるようになってきて(涙)」
mayuko「最初にそれ聞いた時、ビックリしたもん。こんなに可愛く生まれてきて、何を悩むことがあるんだろう?みたいに思ってたけど。聞いてみるといろいろね」
小林「mayuちゃんの弱点はなんだっけ?」
mayuko「ネガティブシンキングかな。あまり人とご飯に行けなかったのも、勝手に先回りして、自分なんかがこの場にいていいのかな……みたいな想いに負けちゃってたからで。だから面白かったのが、女子会メンバーのひとりに一対一でご飯に行く男性ができて、楽しかったからまた行きましょうってメールした時の相手からのお返事に対して、私とそのコが"もうダメかもしれない"って落ち込んでたら、麻耶ちゃんは"えっ、どこが?!"って」
小林「むしろ、いけんじゃーん!みたいな」
mayuko「同じメールでも人によってこんなに捉え方が違う。麻耶ちゃんみたいに明るく対応すれば掴めたかもしれないチャンスを、私たちは全部潰してきたのかもしれない?!ってそこで気づいたというか」

――― 今の話でやっとわかりました。ファンから相談を受け付けて話すという今回の企画が。

小林「解決できるかはわからないけども」
mayuko「一生懸命考えます!」

――― では一つめは、syakeさん他、たくさんの方からいただいた、「小さい頃からあがり症で、人前で声が出せない」というご相談です。

mayuko「緊張しない方法っていうのは、普段からけっこう聞かれてて。麻耶ちゃんは子供の頃から全然緊張しなかったの?」
小林「いやいやいや。働き出して1年は特にずっとしてたと思う。けど緊張って自信のなさからすごいくるから。人前でやらなきゃいけないことがある時は、こんだけやったんだから大丈夫!って自分が思えるところまで練習することが大切で。それでも緊張しちゃう時は、私、緊張してますって言いまくる」
mayuko「周りの人に?」
小林「そう。緊張してる自分を受け入れるというか。"こんなに大勢の前では誰でも緊張する。だから私もしていい"から始めるとすごく気持ちが軽くなるし、意外とみんなやさしくて、"大丈夫だよ"って言ってくれるから」
mayuko「私は最近、いろんな人に聞いては試してるところなの。例えば、ステージのピアノを家のピアノだと思って弾くとか。腕にはめた輪ゴムを本番直前にバチってやると、その痛みに意識がいくから大丈夫とか」
小林「けどmayuちゃんはいつも"ファンの方に楽しんでもらうことが一番"って言ってるし、だからまず自分が楽しむし。どう見られるかじゃなくて何を伝えたいか。自分が発信するものに集中すると緊張は解けるよねっていう話をよくしてるよね、女子会で」
mayuko「さすがだなぁ。それ、頭から飛んでたわ(苦笑)。ただ最終的には、本番を重ねないとわからない気もするんだよね。想定外に身体がこわばることってあるから」
小林「そういう時はどうするの?」
mayuko「なんとかやる。身体がこわばってもやれた経験を積み重ねていくことは、自信にも繋がるし。あとは緊張は防衛本能だっていうのも聞いて。この方も昔からあがり症でしょ? 多分、幼少期の経験や記憶と繋がってると思うんだよねぇ」
小林「あぁ、そうかも。さっき話してたみたいに、子供の頃の辛い出来事にアクセスすることってすごく大事なんですよ。だからこう、何かをやって笑われたとか、怒られたとか、根っこの出来事を思い出して、でもあれは小さかったからなんだよねーと思うと」
mayuko「で、怒った人も、笑った人も、きっとそれぞれの事情があったんだよっていうふうに考えていって」
小林「さらに本番を積み重ねていくとね」
mayuko「うまくいく、のかなぁ」
(つづく)

この対談の完全版は8月末発売予定のAqua Timez10周年記念アーティストブック「流るる風の跡を−Aqua Timez 10th Anniversary Book−」(シンコーミュージック・エンタテイメント発行)に掲載されます。

文 / 山本祥子 写真 / 山本さちこ 
編集協力 / B-PASS

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