10周年記念 メンバーソロ対談企画 10周年特別企画としてメンバー個々がチョイスした対談企画が実現!!

Vol.1

太志×TAKUYA∞(UVERworld)

――― Aqua Timez対談企画、太志さんのリクエストでTAKUYA∞さんをお迎えしました。

太志「もうね、TAKUYA∞くんしかいなかったの。対談相手として考えたときに。昔の知り合いとかも違うな~と思って」

――― では2人の付き合いというか、まず出会いを教えてもらっていいですか?

太志「覚えてないかもしれないけど、最初に会ったのは確か2008年の『卒フェス』で」
TAKUYA∞「いや、覚えてるって。大阪のUSJでやったイベントやろ?」
太志「そうそう。俺らの次がUVERworldっていう出演順で。ライヴを終えて裏に戻ったら、TAKUYA∞くんが右手を差し出して、“盛り上がったね”って握手してくれて。でもその時はそれで終わっちゃって」

――― Aqua Timezも、太志さんも、どちらかと言えば内向的だし。

太志「そうそう。イベントでたまに一緒になるものの、なんとなく接近できずにいて。けどある日、ワクワクする音楽を探してYouTubeを彷徨ってたら、UVERworldの“KINJITO”と“7th Trigger”を見つけて、うわー!!!!となって、この人が何を考えているのかすっごく知りたくって、いろんなつてを探っていたんだけどなかなか繋がらず。で、去年のONE OK ROCKのTakaの誕生日の時に会えて、やっと話ができて」
TAKUYA∞「いやいや。逆に俺はけっこうみんなと友達になっていく人やのに、太志には越えられへん壁を感じてたからさ。そんなふうに思ってくれてたのが意外で、けどメチャメチャ嬉しくて。俺も太志の書く曲が好きだし、UVERworldの曲を褒めてくれる言葉も純粋に受け入れられたし、すげぇ仲良くなりたいと思ってたし。うん。そこから急激に距離が縮まったよな」
太志「(2014年)7月の横浜ベイホール、9月の川崎クラブチッタと立て続けに観に行って、チッタの時は打ち上げにも参加させてもらって。UVERworldの打ち上げはすごいよ! TAKUYA∞くんの周りには仲間がいっぱいいて、みんなアツい人で、音楽だけじゃなく実際もそうだったから、もっともっと深く知りたい人っていう感じ。うん。最近俺が走るようになった理由もこの人だから」
TAKUYA∞「ええっ、マラソン好きのOKPさんもいるのに?」

――― メンバーがマラソン話している横で、太志さんは我関せずを決め込んでました。

太志「怠慢の権化だったからさ、俺」
TAKUYA∞「へぇぇ。最近はもう、走った記録を送ってくれますよ、毎日」
太志「そう。彼とはランニング仲間で」

――― というか師匠でしょ?

太志「この間も一緒に10km走ったんだけど。まぁ1km地点で背中が見えなくなって、9kmは自分との闘いだったという……」
TAKUYA∞「でもベストタイム出たし」
太志「うん。その前の10kmより10分早く走れたから。もぉぉ、相当辛かったけどさ」
TAKUYA∞「走る前には渋谷でステーキを食べて。僕はけっこう長い間走ってて、自分なりの正解を持ってるから。ランニングフォームとか、こういうふうにやったらもっといいよ?!ということは全部太志にレクチャーして、ヨシ!って一緒に走り出して」
太志「(伸ばした両手を頭の上で結んで、そのまま腕を前に振り落とし)こうやってこう」
TAKUYA∞「ナンバ走りね」
太志「俺がアキレス腱を伸ばしてたら」
TAKUYA∞「それは走ったあと。筋肉が伸びる前に走ったほうがいいから」
太志「すごいでしょ?(喜) ただ俺は友達になったら大抵、酒飲みに行こうってなるけど、TAKUYA∞くんはいつも“カフェに行こうよ”って。カフェで喋って、服屋に入って、“腹減ったなぁ、カフェ行こっ!”みたいな。どんだけカフェ好きなの?!と思って」

TAKUYA∞

TAKUYA∞「あははははは。いや、俺もお酒はすんごい好きよ。けど年に3回しか飲まないって決めてるから」

――― おぉぉ。その理由というのは?

TAKUYA∞「験を担いじゃったんだよね。それまではグダグダになるまで飲んでて。インディーズの頃なんて365日のうちの半分記憶なくしてたから、1年が200日なかったし(苦笑)。これじゃあかん、お酒は年に5回!って始めたのが7年前で。2年間守れたから、もっとストイックにいってみようってことで、年に3回。ま、正月のカウントダウンの時はノーカウントにさせてもらってるけど」

――― 飲むタイミングも決まってるんですか?

TAKUYA∞「全然。けど仲間が集まった瞬間、今日やな!って時がくるから。ただ飲まない時も、飲んでるヤツよりテンション高くいるというのが僕のテーマで。だから初めて参加した人はお開きになったあと、“えっ、シラフやったん?!(驚愕)”みたいな」
太志「でもお酒はよく決心したよね」
TAKUYA∞「負けず嫌いやからさ。タバコを辞めた時も、周りから“どうせ無理やねんから、禁煙なんて辞めとけよ”って言われまくることに対してカチンときたわけ。てか、UVERworldの姿勢自体が全部そうだよね。ほら、Aqua Timezも、UVERworldも、誤解されやすい位置にいるやん。俺らってすごいロックやけど、コアコアなヤツからしたら、なんかこう」
太志「軽く見られるってことだよね。音を聴く前にイメージで語られる感じはある」
TAKUYA∞「そうそうそう。そういうヤツらに対して、一回音楽聴いてみろよ!みたいな反骨精神がすごいあるし。お酒も、タバコも、マラソンを毎日走るっていうのも、全部そう。無理ちゃうわ!って始めたら、屈強な、筋肉モリモリのハートになってしまった」
太志「それがもう心地いいんでしょ?」
TAKUYA∞「心地いい。うん。走らない日は1日もない」
太志「すごいなぁ。俺はこの間の10km、かなり無理して走ったのね、だから翌日の筋肉痛がハンパなくて。けどTAKUYA∞くんは昼間にも10km走ってたっていうし」
TAKUYA∞「だって珍しいからさ、太志が“一緒に走ろう”って言ってくれるの。それなら全然、もう一回走るよ!みたいな」

太志

太志「だってこの人、あんな激しいライヴのあとに会場から走って帰ったりもしてるし、とにかく志が高い。ウチのバンドってそういう厳しさはないじゃん。役割的にも年齢的にも俺は末っ子で、ああしたほうがいい、こうしたいってわがまま言うだけ、あとはお兄ちゃんお姉ちゃんがやってくれるみたいな。それはとても幸福だけど、そうじゃない人に出会いたかったし。何よりライヴを観た時に、最初の一音で耳がピーン! 本気ですっげぇーって思わせてくれたのね。そこで立ち上がらせてもらったというか。そうそう。走りながら改めて、人って音楽そのものなんだなぁと思ったの。俺の歌詞やメロディには全体を包み込むとか、ありのままを受け止める覚悟はあるけど、喝を入れる強さみたいなものがなかった。ありのままでいいけど、このままじゃダメだってUVERworldに教えられた。そしたらできる曲も少し変わってきて」
TAKUYA∞「おぉ。ちょっと走ってる感が出てきてる?」
太志「うん。やっと走り始めた感じ。けどTAKUYA∞くんにはもう、ライフも、ランも、ライヴも、確固たるスタイルがあるんだなぁと思って。それが俺にはメッチャ新鮮だったの。あ、あとパンケーキもね!」
TAKUYA∞「おいしかったよね」
太志「俺は普段甘いものを食べないから、この前一緒に食べたのが初めてのパンケーキで。あったかくて、フワフワで、うまかったぁ」
TAKUYA∞「へぇぇ、好きそうなのに、パンケーキとか甘いもの」
太志「全っ然ダメなの、酒飲みだから」

――― TAKUYA∞さんは甘いものがお好きなんですか?

TAKUYA∞「大好き。今日も朝からアサイーボウル2杯食べてきたから」
太志「フフフフ。女の子やん!」
TAKUYA∞「俺の中では太志こそ女の子だけどね。たまにお嬢ちゃんって呼ぶくらい(微笑)。ちょうどメジャーにいったくらいかな、本人と話すより全然前に、知り合いから、太志は少し特殊やと。ビジネスマンとしても頭が機能してるみたいな話を聞いてて」
太志「なんだそれ〜(笑)」
TAKUYA∞「すごいなぁと思ってて。けど出会ってみたら、もう女の子なんですよ」
太志「それこそ、パンケーキ食わないのに」
TAKUYA∞「けどパンケーキとかメッチャ食ってそうな目してくるんですよ。メールの内容なんて相当カワイイ。胸の中の闇と悲しみと喜びを吐露してくるんです」
太志「あははは。吐露するする」
TAKUYA∞「ロックバンドのヴォーカル同士やったら、やっぱり多少虚勢を張るし、背伸びした発言もしてしまうし、弱いところ見せづらいけど。太志はパカーン!と開いて、内側をぶつけてくれるから、俺もそれに対して100で返したいし。結果、会話がたまに大事な明日を不安がる彼女、それを励ます彼氏みたいになってるんすよ(笑)。“風邪ひいてしまった、明日どうしよう?”みたいな」
太志「ツアー先の札幌で風邪ひいちゃって、メールして。そしたらその時にたまたまTAKUYA∞くんも札幌にいたんだよね?」
TAKUYA∞「うん。曲作りで行ってて」
太志「じゃあ来てって誘って。あの日のライヴはもう彼が支えてくれましたね」
TAKUYA∞「一歩も引かへんかったね」
太志「うん。昔だったら負けてたかも。特にデビュー2〜3年は、ツアー中に体調を崩そうもんなら余計なチカラが入って、遠慮して歌って、さらにダメになっちゃうっていう」
TAKUYA∞「前へ前へ来てたもん」
(つづく)

この対談の完全版は8月末発売予定のAqua Timez10周年記念アーティストブック「流るる風の跡を−Aqua Timez 10th Anniversary Book−」(シンコーミュージック・エンタテイメント発行)に掲載されます。

文 / 山本祥子 写真 / 山本さちこ 
編集協力 / B-PASS

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